双極性感情障害と私の回復ノート

あたらしい朝に向かって、一歩ずつ進む坂道のように。

ピアサポートが社会を変える

こんにちは、「さかみちライフ」です。
頭の中の“ぐるぐる”を整理するために、このブログで日々のことを書いています。
双極性感情障害の当事者として、就労B型に通いながら、社会復帰を目指す日々を送っています。

ピアサポートという言葉を初めて聞いたとき、正直なところ、少し遠い概念に感じていました。支援の一種で、制度の中にあるもの。そんな印象が先に立って、生活の実感とは結びついていなかったのです。でも、実際に当事者同士で言葉を交わす時間を重ねるうちに、その距離は静かに縮まっていきました。

同じ経験をしている、という共通点は、不思議な安心感を生みます。説明しきれない感覚を、無理に説明しなくていい。気分の波の話も、眠れない夜の重さも、「わかる気がする」と返ってくるだけで、胸の奥が少し温かくなります。励まされるわけでも、答えをもらうわけでもありません。ただ、同じ地面に足をつけている感じがします。

就労B型の中でも、そんな場面はあります。作業の合間の短い会話や、休憩時間の沈黙。言葉が少なくても、同じリズムで過ごしている時間が、支えになっていると感じることがあります。支援者との対話とはまた違う、横並びの感覚。上下でも前後でもなく、隣です。

ピアサポートは、個人の安心にとどまらない力を持っているように思います。当事者の声が集まることで、これまで見過ごされてきた不便さや違和感が、輪郭を持ち始めます。制度や社会の仕組みは、遠くて固いものに見えますが、生活の中の小さな声が重なれば、少しずつ形を変えていく。その可能性を、私は肌で感じています。

偏見について話すときも、ピアの場では言葉が途切れにくいです。怒りや悲しみをそのまま置いても、否定されない。感情が行き場を失わずに済むと、外の世界に戻る力が、わずかですが残ります。それは社会参加のための、大切な下地だと感じています。

「社会を変える」という言葉は大きく聞こえます。でも、私にとっての変化は、とても静かなものです。今日は誰かの話を聞いた。今日は自分の話を少しだけした。その積み重ねが、孤立を薄め、関係の質を変えていく。結果として、それが社会の空気を変えていくのかもしれません。

ピアサポートは、誰かを導くものではなく、共に立ち止まるものだと思います。同じ場所で、同じ空を見上げる。その時間が、私たちの生き方を肯定し、社会に新しい余白を作っていく。そんな感触を、今日も静かに抱えています。