双極性感情障害と私の回復ノート

あたらしい朝に向かって、一歩ずつ進む坂道のように。

自己肯定感を育てるリハビリ

こんにちは、「さかみちライフ」です。
頭の中の“ぐるぐる”を整理するために、このブログで日々のことを書いています。
双極性感情障害の当事者として、就労B型に通いながら、社会復帰を目指す日々を送っています。

双極性障害と向き合っていると、症状そのものよりも、自己肯定感の低さに苦しむ時間が長いことがあります。うまくいかない日が続くと「自分は何もできない」と思い込み、逆に調子の良い日には「また崩れるのでは」と先に不安が立つ。気分の波がある病気だからこそ、生活の中で“自分を信じる力”が揺さぶられ続けます。

私自身、何度も自己肯定感が底まで落ちた経験があります。働けなくなった時期は特に顕著で、布団の中で「何もできない自分」が頭の中に貼りついて離れませんでした。誰にも必要とされていないような気がして、社会から遠ざかっていくような感覚がありました。そんな時、自分を励ます気力なんてどこにもありませんでした。

しかし、就労Bに通い始めて気づいたのは、自己肯定感は“一度取り戻したら終わり”ではなく、“育て続けるリハビリのようなもの”だということです。生活の中で少しずつ積み重ね、揺れたらまた立て直し、時間をかけて戻していく。そのゆっくりとしたプロセスこそが大切で、焦って一気に高めようとすると逆に苦しくなるのです。

自己肯定感を育てるために、まず必要だったのは「できたことを小さく拾う」習慣でした。私は以前、できていないところばかり見てしまうタイプでした。作業でミスをすれば落ち込み、人より遅いと焦り、相談できない日は自分を責める。ところが、職員さんに「今日はここまでできていますよ」と言われると、意識していなかった小さな成果が浮かび上がってくることがありました。

「通所できた」
「作業を途中で投げずに終えられた」
「疲れを感じる前に休憩できた」
「今日は落ち着いて話ができた」

こうした出来事は、病気の波の中では見落としやすいのですが、実は自己肯定感を育てる大事な栄養になります。自分で拾えるようになってくると、心の輪郭がすこしずつ戻ってくるような感覚がありました。

もう一つ、自己肯定感のリハビリとして大切なのは、「自分と他人を切り離す」ことです。気分が落ちている日は特に人と比べやすく、 周りのペースに合わせられない自分に失望してしまいがちです。しかし、私たちには私たちの波があります。人と違って当然で、違うからこそ自分を調整しながら生きている。その視点を持つと、比較による落ち込みが少し和らぎます。

また、「今日はできない日」と認めることも自己肯定感を守る大事な作業でした。以前の私は、できない日を“怠けている”と解釈し、無理に自分を追い立てていました。けれど、波を記録していくうちに、できない日に無理をすると次の日に大きな反動がくることを実感しました。“できない日こそ、自分に優しくする日”。それを知ってから、落ち込む日が“責める日”ではなく“調整の日”へと変わっていきました。

そして何より、私が自己肯定感を育てるうえで大きかったのは、「誰かに正しく受け止めてもらう経験」でした。医師や職員さん、時には同じように波と向き合う仲間との会話の中で、「あなたの感じていることは普通ですよ」「その状態ならそう思って当然です」と言ってもらえるだけで、自分の心がゆっくり整っていく瞬間がありました。否定されないという経験が、傷ついた自己肯定感をそっと支えてくれるのです。

リハビリという言葉が表すように、自己肯定感は“鍛える”ものではなく“育てる”ものです。急に強くする必要もないし、常に高く保つ必要もありません。揺れながらも再び立ち上がれる力を育てていく。その過程こそが、回復といえるのだと思います。

今日も、自己肯定感が高いとは言えません。でも、それでいいのだと思います。完璧を目指すのではなく、“少しずつ自分を取り戻していく感覚”を大切にしながら、波のある生活を積み重ねていくこと。それが私の回復のリズムです。