こんにちは、「さかみちライフ」です。
頭の中の“ぐるぐる”を整理するために、このブログで日々のことを書いています。
双極性感情障害の当事者として、就労B型に通いながら、社会復帰を目指す日々を送っています。
今では広く使われるようになった「双極性障害」という呼び方ですが、少し前までは“躁うつ病”のほうが一般的でした。私自身、この病気について調べ始めた頃は、両方の名称が混在していて、その違いがよくわからなかった記憶があります。けれど、名前が変わった背景を知ると、この変化が当事者にとってどれほど大きな意味を持っていたかが見えてきます。
「躁うつ病」という言葉は、病気の特徴をわかりやすく示している一方で、どうしても強い印象を与えてしまいます。“躁”という字からは暴れるようなイメージが、“うつ”には暗く沈むイメージがつきまとい、言葉そのものが偏見を助長する面がありました。病気ではなく“性格の問題”として見られやすいという弱点もあり、当事者が説明しにくい名称でもありました。
一方で「双極性障害」という呼び方は、より中立でニュートラルです。感情が二極に動く病気であることを静かに示すだけで、人格へのレッテル貼りを含みません。医学的にも国際的な診断基準が整う中で、より正確な状態を表す呼称として採用されていきました。病名の変更は、医学の進歩だけでなく、当事者の生きやすさを考えるうえでも重要な転換点でした。
私自身、主治医から「双極性障害」という言葉を聞いたとき、最初は戸惑いもありましたが、説明を受けるうちに「これは性格の問題ではなく病気としての状態なんだ」と落ち着いて理解できたことを覚えています。もしそこで「躁うつ病です」と言われていたら、もっと自分を責めていたかもしれません。病名が持つイメージの影響は、想像以上に大きいものです。
また、「双極性障害」という名前は、周囲の人に説明しやすいという利点もあります。“躁”や“うつ”の直接的な言葉を使わずに、症状の特徴をまとめて伝えられるので、相手が構えすぎずに聞ける。これは、当事者にとって大きな安心につながります。言葉ひとつで、伝える側の負担が軽くなる。これは小さなようで大きな変化です。
もちろん、呼称の変更で偏見が完全になくなったわけではありません。それでも、この新しい名前は、当事者を傷つけにくい言葉として社会の中に根づき始めています。そして、当事者自身がこの病気をどう受け止めるかにも、穏やかな影響を与えていると感じます。
名前が変わるというのは、ただの言い換えではありません。
社会がその病気をどう理解するか、どんな姿勢で向き合うか、その価値観の変化が表れたものでもあります。
「双極性障害」という名前のもとで、私は以前よりも自然にこの病気と向き合えるようになりました。名前が軽くなったからではなく、名前の奥にある“理解しようとする姿勢”を感じられるからだと思います。社会が少しずつ変わっていく中で、私もまた少しずつ自分の病気を受け入れられるようになりました。
今日も、自分の波を抱えながら静かに生活を続けています。
呼び方が変わっただけで救われることがある――そう思えるほど、言葉には力があります。